古のESXi環境をVMware Workstation Proに移行する

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注意:これはフィクションです

色々とやんごとなき理由で、ESXi 5.5上で動いているWindows Server 2003を新しいVMware Work Station Pro(openSUSEホスト)環境に移行するプロジェクトにアサインされたという、架空の話をしましょう。

ESXiといえば、私が高専時代に散々遊び倒したハイパーバイザーです。まさか令和の時代にそんな古のハイパーバイザーと再会するとは思いませんでしたが、まああくまでこれはフィクションなので。

VMware買収されてた

この件に関わり始めて初めて知ったのですが、VMwareはBroadcomに買収されていました。買収されると何が起こるかというのは、SUNがOracleに買われたときに古のエンジニアは身を持って味わった訳ですが、当然既存プロダクトのマネタイズを強化し始めます。

ご多分に漏れず、VMware ESXiもその波に飲み込まれて、無償ライセンスが無くなってしまったようです。まあ、そもそも本番環境に無償ライセンスを投入すること自体よく分からないのですが、これはフィクションなのでそういうことにしておきましょう。

VMware ESXiが時限爆弾になる

こうなるとどうでしょう。今まで元気に動作していたESXiくんが、途端に時限爆弾に変わります。恐ろしいですね。

当然ESXi環境の移行先を探すわけですが、現代はクラウド時代。オンプレのハイパーバイザーはオワコン化しているので、ベンダーとかに問い合わせるとAzure移行とか勧められるわけです。

しかしよく考えてください。ESXi 5.5を動作している状況の会社に、Azureに移行しろと言うのは些か飛躍しすぎではないでしょうか。というか、やんごとなき理由で古いサーバーを動かし続けているのに、それをクラウドに移すというのは、流石に無理な話では無いでしょうか。

VMware Workstation Proに移行しよう

まあそういったやんごとなき理由でオンプレにこだわる必要がある場合、最新のサーバーマシンで動作して、かつそれなりに実績があるハイパーバイザーといえば、Proxmoxではないでしょうか。

ではなぜProxmoxではなくVMware Workstation Proにするかというと、単純にProxmoxでは動作できなかったからです。色々と試してはみたのですが、ブルースクリーンを解消できず、諦めた次第です。特にProxmoxにこだわる必要もないので、VMware Workstation Proで動くならそれで良いかなと。

移行手順

まあ気を取り直して、移行手順を説明します。

ESXi 5.5からデータを抽出する

まずは、現行のESXiサーバーからイメージを取り出しましょう。

いきなりですが、ESXi 5.5に接続するためにはvSphere Clientが必要になるわけですが、当然ながら公開終了しています。もうこの時点で詰むのですが、幸いネットの海を彷徨うとアーカイブしてくれている場所があったので、そこから入手します。

このソフトが入手できればあとは簡単で、「ファイル→エクスポート→OVFテンプレートのエクスポート」からOVFテンプレートを取得できます※エクスポート時は仮想マシンをシャットダウンしてください。

LinuxにVMware Workstation Proをインストールする

これもまあ、普通に上記のサイトからバイナリを取ってきてchmod +xしてターミナルで実行するだけです。ただ、まあこれに限った話ではないのですが、Linuxで仮想化ソフトを使う場合、カーネルモジュールをビルドする必要があるので、gccとかmakeとか、カーネルヘッダーとかは事前にインストールしておきましょう。

主要なディストリビューションなら、特に問題なくインストールできるでしょう。

Open Virtualization Format (OVF) Toolをインストールする

次が案外ハマりポイントなのですが、OVF形式の仮想マシンをインポートするには、OVF Toolが必要です。Windows版のVMware Workstation Proには標準で含まれているみたいですが、Linux版には含まれておらず、OVFをインポートしようとしても何も起こりません。

これは結構ハマりポイントですね。まあ、Linuxあるあるですが。

ダウンロード自体はこちらから可能なので、落としたZIPファイルを適当なところに置いておきます。当然ですが、パスが通ったところにシンボリックリンクを張るとか、置き場所自体にパスを通しておく必要があります。

なんかこうやって書いてると、Linux環境で思ったことをやるのって案外スキルを要求されるんですね。僕は入門がVine LinuxとかTurboLinuxとかだったので、バイナリをそのまま実行できないのは当たり前みたいなマインドがありますが、Windowsに慣れていると確かに心が折れそうです。そう思うと、いい時代になった反面、一回ハマると抜け出せなくなるエンジニアが増えていくのではという懸念もあります。

後は普通にインポート

話が横道に逸れましたね。ここまで来たら、後は普通にインポートするだけです。これについては特に説明は不要かと。

Windows Server 2003のライセンス認証

インポートできれば特に問題なく起動できるとは思いますが、今度はWindows Server 2003のライセンス認証を求められます。ネットで可能と書いてはあるものの、しばらく昔からインターネット経由のライセンス認証は難しくなっています(もうできないかもしれない)。

インターネット経由のライセンス認証ができない場合は、電話でのライセンス認証を行う必要があります。手順はそんなに難しくないのですが、ムダに長いプロダクトIDを入力しなければならないのは辛いところです。この電話窓口は一体いつまで存続するんでしょうか。

終わりに

インポートするだけだろと思った古のESXi環境バックアップですが、思ったより長い道のりでした。P2V自体が結構前に流行ったトレンドなので、令和の時代にこんなことをやっている環境はあまり無いかもしれません。誰かの役に立つかは分かりませんが、誰かの役に立つと信じて情報を置いておきます。

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